最近は、いよいよ、延期されていた森下スタジオでのレジデンスの準備をしている。
マリーも、他スタッフも、モントリオールやパリなどにいるので、日本にいる私たちとのリモート稽古となる。「ドラマトゥルク 」という仕事について、舞台芸術の世界での経験が豊富な、美和さんや香子さんに聞いてみて、とにかく何でもやる、って言ったんだから、何でもやればいいじゃない?と軽く言ってもらえたので、気持ちが楽になった。 今回の稽古期間は短く、複数回に別れる形になっているので、まずは、何でも試してみること、とマリーも言っていた。 最近、「一人の赤ん坊がハイハイして、父の足の指の毛を何度も触りに来るので、みんな笑っている」、というヴィジョンを思い出し、非常にノスタルジックな気持ちになった。 赤ん坊を見下ろしている、ということは、おそらく一番下の弟だろうと、母に聞いたら、それは上の弟で、ヴィジョンは父が撮ったホームビデオの記憶なのだった。 外部記憶<>ボディ・メモリーの対の話では無いのかもしれないが、(ボディ・メモリーは単純に脳の記憶っていうよりは、自転車が乗れたらもうずっと乗れるようなメモリーのイメージなので) 映像が自分の記憶として肉化しているのを、実感した。 もう一つこの体験が自分に興味深かったのは、このヴィジョンをこれまで「思い出した」経験、 このメモリーを呼び起こした経験、が、記憶にない。 つまり、初めて思い出した思い出の感覚があり、それは突然、ある、すごく似た状況を見た、(みた、という意識もなく、ただ、目に、映っていた、) ことがトリガーとなって、人生で初めて回想された。
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AuthorFilmmaker Archives
September 2024
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