八月ごろから、この間にアフレコを半分ほど行い、147分のラフカットができ、120分台にさらにカットするのを目標に、何人かの方にご意見をいただいた。
あんまりそういうことを自分では思わないのだけど、 Cosmo Corpusは、最高傑作になる。 映画制作の経済的な難しさを考えると、さらに最後の作品になる可能性もある、が、それで本望と思える作品だ。そしてまた、撮れるか撮れないかは別として、これからが一人前の映画監督の始まりなんだなと思いもする。 イリュミナシオン、DUAL CITYは、2011年の東日本大震災がきっかけで、どうしても完成させざるを得ないほど重要なテーマから始めようと思い、「死者との再会」というパラドックスを選んだ。 それを今回のCosmo Corpus(コスモ・コルプス)では、かなり直接的に映画のフィクション世界とつなぐことになった。さらに実人生の神秘現象体験(非科学的な出来事)もそのまま、世界への一つの問いとして入れることができ、表現できた。 それらに命を吹き込んで、Cosmo Corpusが傑作になったのは、私の力ではなく、出演者によってだと素直に思う。それぞれ少ししか出ていない方でも、関係なく本当に素晴らしい存在感。 さらにスタッフとして参加してくれた方々の顔も思い浮かぶ。 懐かしいものとの再会・合流。あるいは逃避?幼い頃、映画が終わり、映画の中の人たちと一生会えなくなるのが悲しくて仕方なかった。その感覚に自分の力でなりたいといつからかなぜか思い、物語を作り始めた。自分でやれば、別れることもないとでも思ったのだろうか。 「その感覚」を持つことが実人生でどういう意味を持つのか。全然別の可能性の世界との交流。一人ではない、という確信、だろうか。まるで死者たちのように物語に介入できないまま、私たちは映画の中の世界を、応援し、愛し、ただただ見つめるけれど。その目線は、私たちの世界を見る誰かの視線や思いをさらに別の次元に想像させる。 この世界だけではないということ、映画というものに対して感じていた、その世界間の応援こそが、Cosmo Corpusでの課題でもあった。 --- 前回のイーロン・マスクの件ですが、この間にもいろいろなことが起こり、ニュースにもなり、別にみんなも100%いいと思ってるわけないよな、と思い、アカウント持っていないと、全然twitter内のことも見られなくてわからないので、書くのはやめました。 私自身は、作家の藤井太洋さんやGreg Egan(数学サーバーにいる)がいることもあって、マストドンを毎日なんだかんだ読んで、関係ない想起や軽口を叩くという感じで、初めてミニブログに結構ハマってしまっています。知り合いは全然いないし、見つける必要はないというのがマストドンの良いところっぽいです。twitterだと現実に会った人と繋がったりするので(インスタもそうですが)自分はあまりうまく使えないし、使う時は宣伝しかできなかったので、なんとなく難しかったです。じゃあマストドンで集客できるかと言えば、おそらく全然できないので、FBとか、インスタとか、全く別のやり方とか、映画完成の暁にはみなさまに届くように何か考える必要はありそうです。 私はmastodon.jpのサーバーから始めたのですが、藤井さんが、「海外のサーバーからは、日本のサーバーは結構弾かれていて読まれない」ことを投稿されていて、それでonlineというところに引っ越しました。ただこれは海外のサーバーで、日本でなら、fedibird(訂正🙏)というサーバーは雰囲気が良さそうだなと思ってます。 調べればすぐ出てくることですが、マストドンはそうしたいくつかのサーバーがあって、自分がどれに入るか、あるいは自分自身で作るか(藤井さんはそれをやっていらっしゃる)、選ぶ必要があるのと、選んでも、twitter全体のように大企業がやっているわけではないので、大勢の人が投稿するとコストもかかり、いきなりサーバー自体が消えることもあったりする..という不安定さがあります。 しかし一方で、マストドン以外でも、fediverseを採用しているサービスであれば同じ世界の一環として、フォローできる仕組みもあります。(例えばFBのアカウントのまま、誰かのインスタのアカウントをフォローできるような)。この時のfediverseとは、前述したサーバーの固有名ではなく、「連合したユニバース」という意味のようです。https://ja.wikipedia.org/wiki/Fediverse マストドンはドイツ生まれなのですが、ドイツやオランダの政府も公式でサーバーを作っています。商業的、宣伝的、さらにこれから金融的にもなっていくというサイトとは違うポリシーやその開かれたシステムに興味があります。 (元twitterのドーシーのBlueskyやthreadsなどもfediverse採用のようなので、マストドンはなんだかんだやはりオタク性が高いし、一般的にはそっちになるかもしれませんが。 あと、どのサービスが台頭しようと一人勝ちで人口を囲い込む、という感じじゃなくて、利用者は自分の好きな場所にいられて、そこから別のサービスをフォローできるのが便利そう。私はマストドンで合っています笑) ---- 三年間ほど関わってきたこの作品の世界が後何ヶ月かで窓だけ開けて扉を閉める..それはありがたいことで、淡々と近づくべき状態だけれど、終わったら次に何をしたいか、考え込んでしまう。 「完成しないと映画の世界から抜けられない」という、百合子さんの言葉を聞いてから、自分はなんでもとりあえず完成させようという意志を持てるようになった。 三年間は、私だけじゃなく、特に横山裕子ちゃんは本当に誠実に全部に携わってくれた。とにかくあとしばらくは、この世界を、今できる限り、今しかできない形で、豊かに仕上げていきたい。 (そのあとは家にある科学の本など全部読んで、観てない映画も観て、ガチなSFを書きたいかもな。。。)
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数年前から新潟で暮らしているのですが、同じ北陸の石川県小松市滝ヶ原町で、ishinokoというフェスがやっているのを知って、9/29が自分のお誕生日でもあり、思い切ってキャンプで参加してみました。 きっかけは、Sapphire Slowsというアーティストのファンにちょうど一週間くらい前になり、ブックラというアナログシンセの音を生で聴いてみたいと思ったことでした。日本でライブをしないのかなと調べてみると、なんと石川へ来てくれるし、フェスのコンセプトもサステナブル、多様性を前提としていて安心できる。 フェス自体初めてでしたが、ishinokoは思想通りにすごく自由な雰囲気で、かつおしゃれな人が集まっていて(しかも結構近隣からが多くて、みんな普段どこにいるのだろう)、とても居心地が良かったです。 私は長年の夜型生活からか、睡眠になかなか入れないのですが、温泉街も近くにあるし、夜、昼、早朝関係なく、爆音で鳴っている音楽や人々の談笑や、自然の音が混じりあうのを聴きながら眠りに入れ、良い選択だったと思っています。 覚書(2023年時点) 交通面 ・Ishinokoのインスタに具体的な情報が沢山ある。チェックが必須。 ・参加者専用駐車場と会場の距離。カートがあっても、歩きでキャンプ道具を持ち運ぶのは難しい。その間はシャトルバスが通っていて、そこに積み込んで運べるボリュームにする必要。 シャトルは30分間隔で駅を出発し、。道を歩いている人がいたら適宜拾っていく。 ・キャンプ道具がなければ、自転車を使って移動するのはすごく良い選択肢。特に、滝ヶ原クラフトアンドステイというカフェ・宿泊施設から会場への道はほとんど森で、歩いても10分程度だった。森林浴ができた。 宿泊 ・1日目のお昼頃は、まだテントの場所は選べた。 しかし、二日目の大雨の際、一番水はけが悪そうなところを選んでしまったことを知る。晴れている時はそんなに感じないのだが、実は低地で、水たまりになるような穴があるようなところ。具体的には一つ目のテント会場の、土手すぐ下あたり。ただ森によって、朝方の日差しは柔らかくなる。 ・二日目、7ミリくらいの雨が夜中ずっと降っていて、床はたぷたぷになったが、テント布が分厚かったためか浸水はしなかった。地面には竹の切り株(?)もあって、破れそうな感じもあった。周りの話を聞くと浸水している人もいた。分厚めをお勧めする。 念の為水はけが良い場所を探すか、陽射し用にもなるタープもあると良いのかも。また穴にはダクトテープもあると穴が塞げていいのかも。 ・近くの温泉街は最高だった。粟津温泉、山代温泉など。シャトルバスは8時くらいまでなので、夕方にお風呂に入りに行って、そのまま眠れる状態で帰ってきてライブを見ていた。 Food 猪や熊などのお肉や、地域で採れた野菜を利用した料理を食べられる。キッチンのゾーンがあって、料理人の様子も見られる。Farmoonの船越雅代さんが暗闇の中で炎に手を伸ばして、お肉を裏返している何気ない写真を見て、なんとなく神聖なものを感じてしまった。 フェス価格ではあるけど、よくある屋台飯ではない贅沢さはあった。コーヒーやタコス、カレーなどはキッチンの他に常時ある。 Live ・フェス初参加なので比べることができないが、隣に太鼓や笛などを演奏する神輿があって、たまにDJに乱入してくるのは他ではなさそうな気がした。 ・アーティストがすごく近い。会場で隣にいたりする。 ・二日目の雨でも決行。途中で眠ってしまったが、一時間遅れで朝五時までやっていたのだろうか。 ・雨で大変そうだなと思っていたのだが、食品祭りさんは、ステージ上に観客を上げることで大盛り上がりにしていた。その抱擁力に感動。(晴れの場合でもそうだったかもだけど) ・出演されているDJ、アーティストの方は皆素晴らしかった。多くの人が文化人類学的な領域に踏み込んでる気がして、そんなこと関係なくお客さんも踊っていた。 ・他に、最近気になっていた太極拳の演舞を見られたり、タトゥーのお店や横丁みたいなゾーンがあり、楽しかった。また、赤ちゃんをフィールドで自由にハイハイさせている人がいて、すごい脳に良いだろうなと傍目に感じる。自分も子供の頃に、こんな場所に来てみたかった。 その他 ・滝野川には石切場があって、それを使った石橋や、神社の鳥居がすごい。 ・川沿いに彼岸花がたくさん咲いていた。9月末なのに、まだまだ夏といっても良い。 ・全体的に手作り感がある。生まれたてのフェスという感じでゴミゴミしていなく、平和的、地元の文化も取り入れようとしている一方で、尖った音楽セレクト。 ・バスに乗っているときに、後ろに座っていた外国人の方二人がRAVEの話をしていて、「バーニングマンは商業化された」「Very lame(ダサい、終わってる)」とだけ聞き取れたのだが、それに対してIshinokoに今到着しつつあるということは、逆の思いなのだろう。 ・もっと入り込みたければ、(ボランティア)スタッフ、として参加するのもアリかも。。 前述した通り、外国人も沢山いるけれど、近隣からの人が結構いて、地方に分散している力を集めることに興味が出ました。フェスは「趣味」の領域ではあるのかもしれないが、フェスが終わっても、そこで、生活を営んでいる方々がいるのに可能性を感じました。 実ずっと気になっていたフェスがあって、Frue なのですが、このフェスも滝ヶ原のステージでも、イベントを行っているのを今知りました。全国の沢山の「秘境」を切り開いたところに、こうしたフェスのステージがある事実関係について想像すると、良いことばかりではないのかもしれないし、観光やイベントだけじゃないものも必要だとは思うけれど、土は柔らかくて自然の力の方が圧倒的だったし、ショービジネスとは離れたところで人には音楽が必要だという、理想の形を追い求めているところに共感ができた。ドライバーさんに聞いたところ、本当の地元のお祭りは、あって、大きな旗とかもあげるのだが、なかなか人もおらずむずかしいと言ってらっしゃった。 P.S.最 近は、イーロン・マスクのやっていることがものすごく苦手です。 一度ここに書いたのですが、私情の範囲を超えていないように思えたので、また別のポストで書けたらいいなと思います。書くほどのことかはわかりませんが... この10代の方との対話、とても率直で面白かった。 ガクジン第61回 Sapphire Slows https://gaku.school/news/gakuzine_61_02/ |
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