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火とヒト、理系の家族たち、苺

8/31/2022

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以前書いていたはてなブログ、いろいろ理由はあるのですが、アーカイブとしてネット上に復活させました。
blog 2013〜2019(完)
https://yoknapatofa.hatenablog.jp/



前回金山関連で三菱のことを書いて、パワハラ体制のニュースとかもその後偶然見たりしたけど、同じくらい大きな科学系の会社に、自分の親戚で勤めている方がいて、その人だったらおそらく、原発を止めるという風には行かないだろうなとは思った。
小型化を進め、廃棄物の無害化を科学の力でする。吉本隆明も反原発反対(「反原発でサルになる」考」末尾に趣旨のまとめもあります)と言うのを最近読んだけど、理系の人は、被害者やリスクが一定あるとしても、技術への信頼、知識からの今後の見通しがあるのだろう。何なら労働者の肉体的な辛さも、完全自動ロボットができるまでの過渡期的なものという考えもあるかもしれない。でもその後が私にはわからないが。

一方には、「たとえば地球がダメで火星へ行っても考え方が同じでは人間は変わらない。安全だと嘘をつき、後から危険だったのを安全にできたとしても、嘘をついていたのは変わらない、全部同じ結論、消費的で壊滅的で、一部の人や環境を使い捨てる結果になる。人のマネジメントできる範囲を大きく離れ科学の力に頼りすぎるべきではない、もっと環境とも、人間同士も共存できるように考え方や生活を変えるべき、」という、ざっと書いてしまったけどそういう感じの意見があると思う。
私はどっちもそうだなと思ってしまうけど、原発が科学の成果だとして、そっち方向の人間にとっての未来(Cのない安全エネルギー使いまくる、廃棄物も全然怖くないからどんどん出す)がよくわからない。原発最高ってなって、代替エネルギーの研究も起きないなら科学的にも良くないのでは。もっともっととなってその次は。インドとかベトナムなどの若い国だったら考え方もまた違うんだろうか。


その親戚のお兄ちゃんは私が小学生の頃、アメリカでロケットを作るのに携わっていて、アメリカ製のたまごっちをわたしたちにお土産にくれたりした。また、アメリカの砂漠を家族を連れて縦断か横断したり、バイクをやっていて(摩擦で?)小指がなくなったことを平然と話したり、子供心に何となく変わり者だなと思っていた。
いつも親戚で集まると、挨拶のつもりで悪気もないのだろうが、私にとっては失礼なことを言われるので、一度母に「◯◯お兄ちゃんは無神経だから好きじゃない」といい、「変わってるからね」と母がこれまた平然と答えたときも記憶にある。
大学に入学した後の親戚の集まりで、私が哲学科に入ったと知り、近寄ってきて、私が当然すでに読んでいるだろうと思ったのか、カントの話をしてくれた。昔読んだけどどうの・・そして次の記憶はなぜか、お兄ちゃんが、「核分裂の時代は終わった。核融合できないと未来はないね。」と淡々と言っているところに移り変わる。
カントの話によほど興味がなく、核融合の話が突然印象に残ったのだと思うが、最近核融合は1989年から長年研究した結果無理だった、でも違う何かで無害化の実験に成功したと言う昔の記事
放射性廃棄物の無害化に道? 三菱重、実用研究へ(2014)

を読んで、ああお兄ちゃんが言ってたな、と思い出した。
(2023/1/10追記:その後、アメリカで実験成功とかのニュースを読みました)

数年前に私の叔母であり、このおじさんの奥さんであるお姉ちゃんが倒れた。危機一髪で助かり、私も実家に帰り、何度目かの母に連れてもらって病院へ行くと、清潔そうな部屋で丸坊主になったお姉ちゃんが寝ていた。
​頭にぐるっと入った手術の跡、傷跡も見せてもらった。まだ痛々しく、赤さが残っていた気がするけど後から聴いた話だったろうか。私はいつも黒づくめだが、この時ばかりは上海で買った七色全部入ってそうな服を着て行った。眠っているお姉ちゃんの近くに行って母と名前を呼んで、「遊びに来たよ」と言うと、お姉ちゃんが突然目を開けて、わたしたちを見て「あっ!」と言うような表情をして、でも、そのまままた気を失うように、目を瞑り、眠りに入っていった。目を開いてくれたのはすごいことだと思った。

お兄ちゃんは倒れた時や、入院後の状況について説明してくれた。お姉ちゃんは、ひどい頭痛が起こった後も、仕事を休むのをすごく気にしていて、すぐには病院に行かなかった。それは彼女らしかった。すぐに病院に連れて行かなかった僕のせいなんです、とお兄ちゃんは言っていた。彼は仕事を長期間休むことを願い出、しばらくずっと病院に付き添うとのことだった。本が大量にあって、病気や症状についての知識が医者をたじたじさせるほどのレベルになっていると言うのは後で聞いた。
お兄ちゃんは、痩せていたが、「本当に危なかった。やたら奇跡が起こる。」と笑って言った。
私が驚いたのは、緊急手術時のお兄ちゃんの行動だった。お兄ちゃんは、手術されている最中のお姉ちゃんの脳の血管を、モニターでじっと見ていたらしかった。
「死ぬ瞬間を、それをこの目で見てやりたい」と思ったからだったという。
私はその時、なんて深い愛だろうと、しかも妻の脳の血管を見て、看取りたいなんて、自分にはないすごく理系な感覚だと、すごく驚いたのだが、今こうやって書いてみると、別段不思議なことではない気もしてきた。誰か大切な人の生命が終わる時を、見届けて、自分の記憶に刻み込みたいという気持ち。

お姉ちゃんはその後、後遺症は残ったがとても元気になった。そして元々数学科の人だったけれど、母曰く、母が趣味(脳トレ)でやっていた、ものすごく難しい数独をバンバン解いてしまうようになったらしい。母はそれを、脳の機能の変化なのではと言っていた。
元通りとはいかない大変なこともたくさんあるだろうしお兄ちゃんのことなので話す時には淡々として包み隠さないが、それらは今回は全て省略して書いた。
​
考えてみると母も父も理系で、母は特に、シダの研究を学生時代していて、昔も数年前も一緒に散策すると花の名前や、「ホラ、あれが地衣類だよ、地衣類は〜」と植物のことばかりだった。今母は、いちご農家に修行に行っている。(二年目?)草冠に母で苺と思うと母っぽいと思う。
でも一番よく思い出すのは、ある時仕事から帰ってくると、「道で拾ったよ」と、白い紙の箱の中に蚕を持っていて、しばらくみんなで育てたことだ。車を道に止めて、桑の葉を、兄弟と母で取りに行った。繭になったけど結局、孵化しなかった。
小さい頃の私だけでなく大勢の人にとって積極的に好かれなさそうなシダも、蚕も、全然面白くなかった植物解説付きの登山も、もはやノスタルジーを引き起こす。

無理やりまとめると、プーチンの考えを、世界史に詳しい人の視点でみると冷戦とかソ連とかロシア帝国が見えていて、明かなものが全然私とは違うように、理系の人の世界観もだいぶ違う、イデオロギーの違いにも、そう言う性格あるよなと。そこには人間全体で助け合う、楽天性があるのではないかと。何となくQuoraの理系の人たちの考え方や、コメント欄のほとんど争いの議論を見ていて思った。全く同じ考えばかりの国だったらやばいと思う。その上で国という全体が進む方向、止まらない理由、「常識」などがあるとしたら、それはどういう種類の幻想なんだろう、新聞社が記事が売れるように煽っていたら日本が本当に戦争に突っ込んでびっくりした、みたいな戦前の記者の話、真偽は確かめてないけど、そういうこともあるんだろうなとぼんやり思った。多数決の方へ行くのか、よくわからない権力のある人たちの思う壺へ落とされるのか、理想主義でないこと、まことしやかな選択だからこそ多数になるのか?

---

最近私は、『コスモ・コルプス』の、シナリオの最終稿を書いています。今日もまとめなければいけないのに家族のことをこんなに書いてしまった。昨日寝る前に、おじちゃんとおばちゃんのことを思い出していたのだ。ちょっと前は、おばあちゃんのことを書きたいと思っていたけど、何となく書けない部分もある。

撮影を始めてから今月で、一年がちょうど経つ。毎回色々な人に助けてもらい参加してもらい、お金もその度集めさせてもらい、少しずつ撮っている。

そのくらいの映画だし、次に映画なんていつ作れるかもわからないので、とにかく正直にやろうと決めている。

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